趣味の話

【Keyboard沼】の話(主に後半HHKBの話)

はじめに・・・

【沼】一般に、水深五メートル以内の水域。水草が茂り、透明度が低い。湖との区別は明確ではない。[大辞林]

辞書的な訳にはあまりインパクトがありませんが、このぬま(沼)」という言葉、なんともねっとりした、底知れない不気味さを持った、でもなぜかハマってみたい、足を突っ込んでみたい、そんな響きがないでしょうか?(あれ、ない?笑)

最近のネットでは色々な趣味やモノにどっぷりハマることを「沼」と言う表現で表すことが多いです。「沼る」「沼落ち」とも言うそうですが。※昔は別の意味で使われることが多く、あまり良い言葉ではなかったようですが。

「万年筆沼」「インク沼」「紙沼」「(カメラの)レンズ沼」「キーボード沼」「スポーツ系の沼」「音楽系の沼」「アイドル沼」「プラモデルの沼」「ゴルフクラブ沼」「自作PC沼」「ワーキングチェアの沼」・・。およそ趣味と名のつくものにはそれはそれは深〜い「沼」があるのでしょう。

そう言う私もいくつかの沼にハマっている者の一人ですが、その中で最近ようやく完全に一つの沼から抜け出すことができた😄のでご報告いたします(知らんがな、と言われそうですが)。

その沼は・・・「キーボード沼」です。あ、音楽ではない方の、PCとかの方ですよ。

より良いタイピング体験を求めて・・

大学生のとき初めてNECのデスクトップパソコンを購入し、ブラインドタッチを覚えてからというもの、より速く、よりミスが少なく、より疲れないキーボードを求めて彷徨ってきました。

思い出すだけで20以上のキーボードを購入してきたでしょうか・・。それはそれは深い沼でした。買ってはしばらく使って押入れに入れ、買っては何か違うと前のを引っ張り出してきて比べ・・それにパームレストとの相性問題も加わり・・・と、悩みは尽きませんでした😫

ただ、そんな私も「沼の底(千と千尋とは関係ありません)」には足を踏み入れることはありませんでした(セーフ!)。沼の底、そう、それは自作キーボード沼・・。そこはまさにエンドレスな世界、キーボード沼の深淵・・、今後自分がそこに足を踏み入れないかが心配です😣

軸などの話

普通の人にはまっっったく興味がないとは思うのですが、キーボードのキースイッチにはいろんな種類があります。メンブレン式、パンタグラフ式、メカニカル式が主なものですが、沼があるのはメカニカル式です。細かな違いは詳しく解説しているサイトがたくさんあるので、そちらを参照してもらえれば良いと思いますが、メンブレン式は安価なキーボード、パンタグラフ式は普通のノートパソコンのキーボードでよく使われています

メカニカル式の定義は厳密ではないらしいのですが、概ね、一つのキーに一つのスイッチを持っていて、しっかりとした打鍵感(キー一つ一つにスプリングが使用されている)」を持っていて、部品にゴムなどを使用していない(プラスチックなど硬質の部品のみで構成されている)などの共通点を持ちます。

さらにメカニカル式と呼ばれるキーボードには接点接触方式」と呼ばれるタイプと「静電容量無接点方式と呼ばれるタイプがあります。一般的にメカニカルというと「接点接触方式」のことを指し、キースイッチに使われている軸の色により「青軸」「赤軸」「茶軸」などに分けられます(黒や白やピンク、銀などもありますがマイナーです)。この軸の違いにより打鍵感や打鍵音、軽さなどが異なります

そしてさらにキーのメーカーごとにさらにいろーんな種類があり、さらなる進化を続けています。ほら、もう嫌になってきたでしょう笑。自作までハマらなくても、軸を選択できるメカニカルキーボードを購入する場合などは悩みどころ(?)になってきます。

HHKB(Happy Hacking Keyboard)との出会い

先ほど「静電容量無接点方式」と言いましたが、これは電極同士の機械的な接触がないため、摩耗の心配がありません。いわゆる「高級キーボード🤗」と呼ばれるキーボードに搭載されていることが多く、キータッチも軽く高速タイピングも可能で大量に文章を打つ作家やプロのプログラマにも大変人気のあるタイプです。

その代表格が上の写真のHappy Hacking Keyboard(HHKB)です!5年ほど前に何のきっかけで知り、購入してからずっとメインキーボードの位置を一度も譲っていません。ただ、ここからも長かったんですけどね、いろいろ・・・笑

 

HHKB、それはカウボーイ🐴の馬の鞍

HHKBの製造元PFUのHPによると、HHKBは東大名誉教授である和田英一先生とPFU研究所の共同研究によって生まれたそうです。PFUのHPには和田先生の談話として次のような記載があります。

  アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。

どうですか、この発言。🔥を感じますよね!笑 こういった魂やストーリーの込められた製品というのは(好みは分かれるにしろ)ほぼ例外なく素晴らしい製品だと信じてます!そして本当に良いものは「ほぼ例外なく高い!😅」。高いがそれに見合った価値があるから高いのです(一部の詐欺的商品を除く)。いや、むしろ高くないと買いたくない!笑 だって、エルメスのバーキンとかが10,000円とかで買えるならここまでのブランドではなかったでしょうし、本物が10,000円だったら絶対偽物でしょ?😅

HHKBも一番安いタイプで25,000円くらい、最上位モデルは35,000円超え・・・もうこれだけでHHKBにもこの残りのページにも興味をなくす人が続出でしょう・・笑

HHKBの主な特徴

箱からして素晴らしい

これは私が所有しているHHKB Professional HYBRID TYPE-Sの箱です。筆でなぐり書きしたような「HYBRID」の文字・・。これだけで気合が違いますよね!

カラーバリエーションの名前がとんがっている🗡

なんとかブラックとかなんとかホワイトとか、最近はいろんな製品に凝った名前がついていますが、HHKBは違います。

』!

いいですねシンプルで(上の行は選択してください)。そして・・・

!!笑

黒でもグレーでもなく・・・墨って・・笑 そしてこの2色のみ。

確かに深い黒でもなくダークグレーに近い形。でもダークグレーでなく『墨』・・。どうですか、この日本人の魂をくすぐるようなネーミング。このネーミングを聞いただけで私は惚れました。

めちゃんこ打ちやすい😄!

打鍵音としては「カショカショカショ・・・」と「スコスコスコスコ・・・」の間の音(笑)といったところでしょうか?

見た目は最近のPCに慣れている方から見ると、古いPCのキーボードのようで決して「かっこいい!」と思えるようなものではなく(私の妻は「何その古くてダサいの・・」と言いやがりました・・😡)

しかし、打つと本当に「あれ?」という感じで実にスムーズにタイピングができ、疲れにくいです。また、薄いキーボードにありがちなタイプミスも頻度が減りました

これに関してはいろいろな人がYoutubeなどに打鍵音をアップされているので、聞いてみても良いかもしれませんが、実際使っている身からすると、そういった動画の音はマイクの性能などによるのかもしれませんが、「ちょっと違う・・?」と感じてしまいますので、できれば実際に試打できるお店で触ってみるのがベストだと思います。

思いますが・・・あまり置いてないんですよね〜・・😓。ただ、後述しますが、Type-Sと通常のものでは静音性が大分違いますので、音を気にされる方でHHKBをお求めになる方はType-Sの方がお勧めです。通常のタイプは「カチャカチャカチャ・・・」って感じです。

東京近郊に在住の方であれば ここ で体験ができるようなので、興味が出た場合は是非足を運んでみてください!

それまで安いペナペナのキーボードしか打った事がない方だと間違いなく「新しい体験」だと感じる事ができると思います。

⏬指の負担軽減のための美しい曲線

変態仕様🤪のキー配列(一部)

配列表を見ていただくとわかるのですが、変態仕様です。通常のキーの数は87とか109とかあるんですが、HHKBは60とかなり少なくなっております。。(世の中の自作キーボードには40とかさらに深みがありますが笑)。ファンクションキー(F1〜F12)はありませんし、カーソルキーもありません。Deleteキーの位置も通常のキーボードよりも低い位置にあったりと初めて触ると違和感満載です。ファンクションキーやカーソルキーをはじめとする数々の操作は「Fn」キーとの同時押しによる複合入力が前提になっているのです!この時点でかなり人を選ぶと思います。

ただ、これに慣れると病みつきになってしまい、もはや通常のキーボードには戻れなくなってしまいます。ただし、このキー配列に関してはHHKBが賛否両論になる最たるゆえんです。HHKBと同じような打ち心地で通常配列が良いという方は Real Forceシリーズの方が良いのかもしれません

キー配列の設定や改善方法などは こちら のブログの解説がわかりやすいです。

持ち運びにはかさばる😓💼

こればっかりは仕方がありません。持ち運ぶことを考えるとリュックなどに入れてもほぼ100%かさばって「邪魔!」となります

ただ、それでも持ち運びたい、これでどこでも打ちたい!と思えるようなキーボードなのは確かです。実際私は職場と家と職場の当直室と、どこでも持ち運んでiMac、MacBookPro、iPadにつないで使用しています(特に長文を打つ場合)。

ちなみに以下のような専用ケースも売っていたりします。ちなみに両方持ってます笑

4つのデバイスを登録でき、キーマッピングもツールで変更可能

以下に紹介するCLASSICを除いて、Bluetooth接続はデバイスを4つまで登録できて、ショートカットキーで瞬時に切り替えが可能です。

また、キー配列もマッピングツールでカスタマイズ可能です。昔はWindowsのみでしたが、Macでも可能になりました!😄

 

たまーにチャタリングが起きる・・😓

チャタリングとはそのキーを1回しか押していないのに、連続でだらららららーっと入力されてしまう現象です。

USB接続して使用する場合は起きたことないんですが、Bluetooth接続していると忘れた頃に起きる事があります。気になる程の頻度ではないのですが・・。それでも起きると「イラッ」とはしてしまいますね。

以前のHHKBではそこそこ頻回に起きていたのでUSB接続のタイプを買い足した事があるのですが、現在使用しているのではそうですね・・・・毎日かなり使用していて2週間に1度起きるか起きないかでしょうか・・。「HHKB チャタリング」で検索すると記事がたくさん出てきますので、どうしても気になる方はいろいろ調べてもよいかもしれません。

 

HHKBにも種類がある・・・orz

HHKBはここ1〜2年でモデルチェンジが行われ、旧式のラインナップは2019年12月に販売を終了しています(私は今までに3台(!)のHHKBを所有しておりましたが、最初の2台は旧式です)

現在HHKBには以下のようなラインナップがあり、それぞれに日本語配列、英語配列、無刻印(英語配列)の3種類があります。無刻印はまさに究極の変態仕様ではないでしょうか笑

HHKB Professional CLASSIC

USB-C接続のみのタイプです(Bluetooth接続なし)。無線も電源(電池)も排除した最もベーシックなタイプです。ある意味最もHHKBの哲学を体現しているのかもしれません。ただし、英語配列のみ・・!です。

美しい英語配列
鬼の無刻印

HHKB Professional HYBRID

HYBRIDと名の通り、USB-Cの有線接続とBluetooth接続(単三電池2個)どちらもできるタイプです。キーストローク(キーを押す深さ)や押すために必要な圧(HHKBは45g)はCLASSICと同様です。

こちらはCLASSICと違い、しっかりと日本語配列があります!日本語配列モデルでも、通常の日本語キーボードにある「あ」とか「か」とかの文字プリントはありません。アルファベットのみです。シンプルで美しい!✨✨

安心の日本語配列
美しい英語配列
鬼の無刻印

HHKB Professional HYBRID Type-S

HHKBのハイエンドモデル。HYBRIDの静音タイプです。私が今現在使用しているのはこれです!無刻印を選んだ理由は、ただ一つ「かっこいい(と自分が思っただけ・・)」からです😅 無刻印は本当に「自己満足モデル」😅だと思っているので、決しておすすめできません!ムッチャクチャ人を選ぶモデルです。普通に文字刻印モデルを買う方がいいかも・・。

静音タイプである「Type-S」は、通常タイプに比べて音が静かなんですが(通常タイプは「カチャカチャ」音)、静かなカフェや図書館で打てるレベルではありませんのでお気をつけください!

キーストロークは通常タイプが4.0mmに対してType-Sは3.8mmです。押下圧は同様に45gです。うち比べると若干浅く感じ、個人的な感想としては軽くしっかり打てるという感じがしました。この辺はフィーリングのレベルなので誰にでも当てはまるわけではないと思います。

 

⏫無刻印の美しさが光っています😄

安心の日本語配列
美しい英語配列
最高モデルにして変態無刻印



HHKB(旧型)を手に入れてからの苦悩

パームレストは必要なのか・・?!

できるだけ持ち運ぶ荷物は少なくしたいところなのですが、私は現在HHKBを持ち歩いています。それだけでも十分かさばるのですが、問題はパームレストでした。

パームレストとは、一番最初の写真にもある通り、キーボードの手前に起き、キーボードとの段差を少なくするなどして、手首の負担を減らすための道具です。素材も柔らかいウレタン製やプラスチックやアクリル、木製ものまでいろいろです(上の写真は現在使用しているFILCOの木製パームレスト)。

基本的に厚みのあるHHKBやその他のメカニカルキーボードの使用にはパームレストを使用している人が多いようですが、中には必要ない、という人もいて自分も外して使ったり使用したりといろいろ試してみたのですが、どちらがいいのかよくわかりません笑。

ただパームレストを使用すると手首が固定されたり摩擦が生じがちなので、タイプミスが少し増えたり(あくまで私の場合)、タイピングスピードが少し落ちたりというような感じがしています。

これはキーを押す際に、上から落とすように打つのか、滑るように、撫でるように打つのかでどちらが向いているのかが違うので一概には言えないのですが・・(以下は不要説。ちなみにネット記事では圧倒的にHHKBはパームレストを使用する事が前提的な記事が多い)。

HHKBにパームレストは必要?HYBRIDユーザのぼくが不要だと思う理由(他ブログ

HHKBにパームレストは必要ない(他ぶブログ)

あー、迷う笑 今は必要期に入ってますが、多分しばらくしたら不必要期に入ると思います笑

⬇️右はHHKB専用を謳うバード電子のパームレストです。

 

(おまけ)私が現在使用しているその他のキーボード

MacBook Pro 16inchのキーボード

それまでのバタフライキーボードから、Magic Keyboard2ライクなキーボードに先祖返りした第一弾。

一言で言えば「無難」なキーボード。ぺったんこなバタフライキーボードがいまいち合わなかった私としてはうれしかったですが、その間にすっかりHHKBに毒されていた😅ので、長時間薄いキーボードが打てない体になってしまいました。

私はMacBookProにもHHKBを接続して普段使用しています。ただ、HHKBを取り出したり接続したりは若干手間がかかるので、ちょっとしたメールの返信や検索、メモ書きの時にはそのまま使用しています。

Magic Keyboard2(Mac)

デスクトップタイプのiMacにも付属している薄型Bluetoothキーボード。先代のMagic Keyboardを含めると私が最も使用したキーボードだと思います。

感触はペチペチした感じですが、キーは独立しておりとても使用しやすいキーボードです。職場にはiMacが置いてあり、そこにはまだこのキーボードを置いています。

Magic Keyboard(iPad Pro)

迷って迷って迷った挙げ句に買ってしまった新型iPadPro用キーボード。

私はiPadに自分で取り込んだ大量の教科書を取り込んでいるのですが(自炊のススメ参照)、その教科書内を検索したり、メモを打ったりする時にどうしてもキーボードがないと不便でした。他のBluetoothキーボードを接続してみたり、現在使用中のHHKBをその都度接続切り替えなどしたりしていたのですが、やはりどうしても面倒になってしまい購入してしまいました。・・・ちょっと高すぎるけど・・・。なので万人にはおすすめできないです。ただし、キーボードとしてはよくできていて、従来のパソコン用のMagic Keyboardと比べても遜色のない出来で素晴らしい製品です。

iPadで文章をガンガン打つ人は選択肢としてオオアリだと思います(重いけど)。

Ewin bluetoothキーボード

上述しましたが、HHKBは静音タイプと言えども静かな場所での使用はためらわれます。そこでいろいろなBluetoothキーボードを試してみたのですが、打ちやすさと携帯性を求めると、現状これがベストかなという製品です。価格も3,000円程度とお手頃です。

ただし、ヒンジの部分がやや貧弱なので耐久性に難ありではあります。