合併症管理

アナフィラキシー⑤:二相性の発症について

はじめに「まとめ」

まとめ
  1. アナフィラキシーは二相性の反応を起こすことがある(一度おさまっても安心するな!)
  2. 二相性の発症は8時間以内が多い
  3. 24時間はしっかりと観察しよう。

 

二相性の反応について

ただでさえ大変なのに、アナフィラキシーは二相性の発症(もう一回発症)をすることがあるんですね・・(ー ー;)

二相性の反応ってなに?

かっこよく言うとbiphasic reaction!。ざっくり言えばもう一回アナフィラキシーの発作が起こりますよ!ということです😫

ただ、その原因ははっきりしておらず、発症頻度や時間も報告によりさまざまです。そのためアナフィラキシー発症後にどの程度の経過観察含めた入院が必要かがはっきりしないんですよね・・!

重症の場合は気管挿管もされてICUに入院なのであまり悩む必要はありませんが、挿管が必要ない程度の軽症の場合に特に心配ですね。

 

どのくらいの頻度で起こるの?

 

教科書によってもばらつきがありますが、およそ数%〜二十数%程度で見られるといわれています(結構多い!)。10人に1人程度は起こすものだと認識しておく必要があります。

 

いつぐらいに起こるの?

 

これが結構幅広く・・1〜72時間なんですよね。。ただ、起こしやすいのは8時間以内(初回から2回目までの平均発症感覚が8時間との報告があります(多いのは8時間以内)。

アドレナリンを使用した患者は原則入院なのですが、どうしても事情で入院ができない場合には、このことをよく説明しておく必要があります。

 

参考文献・図書

1. ICUブック第4版 p223-225
4. LiSA 2017年10月 p1008-1012
10. 麻酔偶発症AtoZ p624-631
16. 麻酔科トラブルシューティングAtoZ p198-199, p206-207 p502-503
23. 麻酔科臨床SUMノート p148, p244-245